1.はじめに

いつも、自衛官生活支援の会のブログをお読み頂きありがとうございます。今年1月から11月までに購入されたNISA対象の投資信託は26兆円、しかし、一方で半分の13兆7000億円が売却されています。長期的な資産形成を目指す制度のはずが、短期間で売却されているケースが多くなっています。今回は、昨年新たに始まった新NISAの現状とどのようにすれば効率的に資産形成ができるかをお知らせしたいと思います。

2.今回のブログのポイント

①新NISAの現状

・短期間で売却されているケースが多い

・長期で資産形成を支援する投信の仕組みが生かされていないことが残念

②長期保有ができない理由

・新NISAを活用した長期の資産形成は、トレードとは大きく異なることを理解

・売却すると翌年に元本分の金額が復活するので、短期の利益を求め、または、損失を避けて売りに走る

③長期投資の重要性

・長く市場に投資をしながら居続けることで、チャンスを逃すことなく有効に資産形成が可能

④リスク管理と資産配分

・債券を組み入れることで変動率を抑えた投資が可能。しかし、長期的な資産形成には株式主体の投資が有効。

・長期保有を続けるためには、投資対象の値動きが自分に合っているかを判断する。

④適切なアドバイスを受けること

・投資経験が少ない場合、相場の大きな急落には慣れていなので、困ったときや不安な際のアドバイスが有効

3.新NISAの現状

今年1月から11月までに購入されたNISA対象の投資信託は26兆円、しかし、一方で半分の13兆7000億円が売却されています。長期的な資産形成を目指す制度のはずが、短期間で売却されているケースが多くなり、長期で資産形成を支援する投信の仕組みが生かされていないことになり残念だと思います。

4.長期保有ができない理由

新NISAの生涯投資枠は元本ベースで1800万円であり、売却すると翌年に元本分の金額が復活するため、短期的な利益確定の誘惑があります。この誘惑に負けて、短期の利益を求め、または、損失を避けて売りに走るのです。新NISAを活用した資産形成はいわゆるトレードとは異なり、短期間での利益を求めるのは効率が悪いのです。投資の途中で資金を引き出すと、複利効果が鈍り、長期的な資産形成に影響を与えます。

また、資産形成の基本を理解していないため、長期の資産形成はトレードとは大きく異なることを納得できていないのです。そのため、トレードと資産形成の違いを学びそして体験することが重要です。

5.長期投資の重要性

相場は乱高下するのが一般的で、予測は難しいです。特に急上昇の時期は予測が難しく、例えば、MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス(ACWI)は1987年末から25倍に上昇しました。しかし、上昇率が高かった順にわずか20個の月(全体の5%弱)を逃すだけで、その上昇率は3.5倍に急減してしまいます。これは、市場に居続けることが長期的な資産形成に重要なことを示唆しています。

6.リスク管理と資産配分

債券を組み入れることで変動率を抑えた投資が可能ですが、長期的な資産形成には株式主体の投資が有効です。長期保有を続けるためには、投資対象の値動きがご自身に適切かを判断する必要があります。もし、国内外の株と債券を半分ずつ分散れば、急激な下落にはその率を低く抑えることができますが、長期の上昇率は株式投資の方が高くなります。数十年の長期なら、株式を主体にして世界に広く分散するのが有効ですし、運用しながら取り崩せば年金世代の方でも十分に投資の果実を得ることが可能だと思います。

7.適切なアドバイスを受けること

投資経験が少ない方は、相場の大きな急落には慣れていません。多少、相場が上下するのは大丈夫でも、昨年の8月のような数年に一度の大きな急落には恐怖感を覚える方も多いと思います。私が年間契約させて頂いている方には、昨年の8月の大暴落時には、ご連絡を差し上げ、定額積立てを継続して頂きました。結果的には昨年の最終運用利回りは11%を超えていると伺っています。また、最初にその方にあった資産の組み合わせもご相談しながら決定したことも動揺を防いだ大きな要因かもしれません。

8.最後に

今回は、昨年新たに始まった新NISAの現状とどのようにすれば効率的に資産形成ができるかをお知らせいたしました。自衛官やOBの皆様には、少しでも効率的な資産形成をして頂き、現役時代も含め退官された後も豊かで充実した生活をして頂きたいと思っています。