1.はじめに

いつも自衛官生活支援会のブログをご覧頂きありがとうございます。年金世代の方には、公的年金の額が気になるところですが、2025年度の年金支給額は、前年(2024年)の物価(⁺2.7%)および賃金の変動(+2.3%)をもとに、マクロ経済スライドの調整(ー0.4%)を加味して、+1.9%の増額改定がなされました。。詳しく解説して行きたいと思います。

2.年金改定の仕組みについて

現在の公的年金の年金額は、2つのルールで改定されています。

①1番目のルール

年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて、毎年度改定を行う仕組みとなっています。物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、支え手である現役世代の方々の負担能力に応じた給付とする観点から、名目手取り賃金変動率を用いて改定することが法律で定められています。 このため、令和7年度の年金額は、名目手取り賃金変動率(2.3%)を用いて改定します。

②2番目目のルール

2017年に給付水準を引下げることにより年金財政の健全化を実現して行くことが決められ、年金額の改定率は、賃金や物価の伸び(以下、本来の改定率)と年金財政健全化のための調整率(いわゆるマクロ経済スライド)を組み合わせたものとなっています。

3.2025年度の本来の改定率とマクロ経済スライド

①本来の改定率を用いた年金改定
まず、本来の改定率は、賃金と物価の伸びが反映される訳ですが、令和7年度の年金額は、1番目のルールから名目手取り賃金変動率(2.3%)を用いて改定します。

②マクロ経済スライドを用いた年金改定
本来であれば、上記の率で年金額が改定される訳ですが、マクロ経済スライドは、高齢化率と少子化率から計算され、マクロ経済スライドが適用後の増加率がプラスになる場合にのみ適用されます。令和7年度のマクロ経済スライドは、-0.4%がマクロ経済スライドとして適用されました。

③2025年度年金額増加率(まとめ:下記の表)
以上のルールにより計算された2025年度の年金支給額は、+1.9%の増加改定がなされました。

要素 内容 数値
物価変動率(CPI) 消費者物価指数(前年実績) 2.70%
名目手取り賃金変動率 実質賃金の平均変動と物価上昇率の合算 2.30%
マクロ経済スライド調整率 被保険者数の減少と平均余命の伸長に応じた調整 ▲0.4%

 

4.2025年の具体的な年金額の例

厚生労働省が公表した支給額の例は以下の通りです。

①老齢基礎年金(国民年金)
満額支給(40年加入)の場合
2024年度:月額68,000円 → 2025年度:月額69,308円(+1,308円)

②標準的な厚生年金(夫婦2人、会社員モデル)
厚生年金+基礎年金を合わせた額
2024年度:月額228,372円 → 2025年度:月額232,784円(+4,412円)

③障害年金・遺族年金
同様に+1.9%で改定されます。

たとえば、障害基礎年金(2級)の月額は、2024年度の68,000円から、2025年度は69,308円となります。

5.年金生活者支援給付金の見直し

年金額が少ない人に対して支給される「年金生活者支援給付金」も、物価変動に合わせて「+2.7%」増額されます。

これは、実際の物価上昇を反映することで、最低限の生活を支える役割を持つ制度の特性に配慮した調整です。

具体的には以下のとおりです。

①老齢年金生活者支援給付金(月額基準額)
2024年度:5,310円 → 2025年度:5,450円

②障害年金生活者支援給付金(月額基準額)
2024年度:5,310円 → 2025年度:5,450円

③遺族年金生活者支援給付金(月額基準額)
2024年度:8,510円 → 2025年度:8,740円

6.まとめ

今回は、2025年の年金改定について見て来ました。自衛官OBの方々には、是非とも年金の繰下げ(年金の支給を遅らせる)をお勧めします。今回の改定率の1.9%は年金を3か月間繰下げた率2.1%(0.7%×3か月)とほぼ同じで、年金の繰下げが効率的であることが分かります。

自衛官OBの皆さまには、一日でも長く働き続け、遣り甲斐と健康そして経済的安定を手に入れて頂ければと思います。

※本記事は厚生労働省や日本年金機構の公式資料、ならびに関連報道をもとに執筆しています。具体的な年金額は加入期間・収入実績・裁定時期などによって異なりますので、個別の確認は「ねんきん定期便」や年金事務所で行うことをお勧めします。

 

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