1.はじめに
いつも自衛官生活支援会のブログを読んで頂いてありがとうございます。多くの自衛官の方は「iDeco(イデコ)」という言葉は知っていても、その中身を知らない方が多いと思います。しかし、iDeco(イデコ)は将来の年金を補填できる公的な制度なのでメリットも沢山あります。今回はこの制度について、詳しく解説させて頂きます。短い内容ですので是非とも最後までお読みください。
2.iDeCo(イデコ)って何?
ざっくり言うと、「自分専用の積立年金制度で、自分の責任で買う金融商品を決めて自分で運用します。一種の資産運用なので上手く行けば投資額より多くの金額が年金となるけど、上手く行かない場合は投資額より減ってしまいまうリスクがあります。でも、投資した金額は「所得控除」の対象となるので、税金が安くなります。注意しなくちゃいけないのは、原則60歳までお金を出せないことです。
正式の名称は「個人型確定拠出年金」と言いますが、IDeCo(イデコ)と呼ばれることが多いため、別の制度かと思う方がいるので、取り敢えずお伝えしておきます。
2-1.2022年4,5月改正について
<2022年4月1日から>
・iDeCoの老齢給付金の受給開始時期の選択肢が拡がり、受給開始時期の上限が 70歳 から75歳に延長されました。
iDeCoの老齢給付金の受給開始時期を60歳から75歳までの間で、自由に選択することができるようになりました。
<2022年5月1日から>
・iDeCoに加入年齢の要件が拡大され、以下の方が加入できるようになりました。
① 会社員・公務員など(国民年金第2号被保険者)で60歳以上65歳未満(※)の方
② 国民年金に任意加入している60歳以上65歳未満の方
③国民年金に任意加入している海外居住の方
※公的年金の加入期間が120月に満たないなど、国民年金第2号被保険者の65歳以上も加入可能
2-2.2024年12月の改正
・掛け金が2万円に引き上げられる
公務員や確定給付型企業年金がある会社員のiDeCoの掛金の上限額が、1万2000円から2万円に引き上げられます。
・以下の限度があります
月額5.5万円-(各月の企業型DCの事業主掛金額+他制度掛金相当額)
※iDeCoの拠出限度額の上限は2万円
3.iDeCo・・どんなメリットデとメリットがあるの
ざっとは、「iDeCo(イデコ)って何?」でお伝えしましたが、少し詳しくお伝えします。
3-1.メリットは
①所得控除が受けられる
積み立てた掛け金の全額が所得控除されますので、所得税と住民税が軽くなります。年末調整や確定申告を行えば、納めた税金が戻ってきますので、かなりお得です。
例えば、毎月1万2千円(毎月の掛け金の上限:自衛官)を掛けますと、年14万4千円となり、もし、所得税が10%(課税所得が195万から330万円以下)で住民税(10%)と合わせると、税金が2万8800円戻ってきます。
②運用益に税金が掛からない
自分の判断で運用するわけですが、その運用益に課税されません。これはNISAやつみたてNISAと同じですね。一般には運用益に20%課税されます。
③運用資産を一時金や年金として受け取る際に有利
運用資産は原則60歳以上から貰う場合に、一時金として貰う時は「退職所得控除」、年金として貰う時は「公的年金等控除」が受けられ、一般の退職金や公的年金を受ける時と同じ優遇制度が適用されます。
3-2.デメリットは
①原則60歳まで引き出せない
原則60歳まで引き出せないので、老後の資金として確保したい金額だけを掛けるのが適切です。2022年4,5月の改正で、今までは60歳から70歳までの間で受給の開始時期を選べましたが、75歳まで延長されました。
②維持費が意外と掛かる
iDeCoの口座を維持する必要がありますが、この手数料が結構かかります。運用商品としては元本保証の預金も選択できますが、口座維持手数料が高いとマイナスになってしまいます。
4.どうすれば入れるの?
①金融機関(証券会社や銀行など)などから、インターネットなどを利用して商品やサービスなどを比較して良さそうなところを選びましょう(イデコ、金融機関)などで検索すればOK。
②案内などが届きますので、掛け金などを決定します。この手続きの中で部隊からの証明が必要になります。また、金融機関はネット証券が私は使いやすいと思います。
③口座を持っていない方は、口座を開設し、商品を選択して開始となります。
5.iDeCoの商品選び
iDeCoの商品には以下のようなリスク商品と元本確保商品があります。元本確保商品はつみたてNISAにはなく、大きな特徴となっています。
「知るぽると」HP
ポートフォリオを考える際に、元本確保商品を選べるので、将来の自分年金積立には適した制度と言えると思います。一例としては以下の通りです。
一方、つみたてNISAには金融庁が選定した173本の商品があり、内容は株式型87本、資産複合型79本、ETF7本です。元本確保商品はなく、分散投資が一般的です。
分散投資の例として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の「基本ポートフォリオ」を参考にするのも一案です。
GPIFのHPから
つみたてNISAについては、ブログを準備しておりますので、ご覧下さい。
6.まとめ
自衛官の皆さんは、共済組合の貯金を活用されてる方が多いと思います。29年4月から金利が下がったとはいえ、普通貯金が0.49%、定積みが0.99%、定期が1.23%は破格の利率です。まずは、これらの貯金の満額を目指すのが鉄則です。そのあと、今回ご紹介したiDeCoなどを検討しましょう。また、iDeCoは資産運用的な要素が大きく、運用実績が悪い場合には、投入した資金よりも少なくなる可能性があることを再度確認したいと思います。是非とも、リスクをよく理解したFPにご相談され、適切に資産運用をして、自衛官の皆様の人生が、遣り甲斐に満ち、経済的にも余裕があるものでありますように願っております。
iDeCoでの自分年金作りのご相談は「自衛官生活支援会」へお申し付け下さい。元自衛官FPが親切・丁寧にご相談を受けます。自衛官の制度や立場を理解したFPが老後資金に対するご不安に対し適切なご提案をさせて頂きます。お申し込みをお考えの方は、まずは電話連絡からどうぞ。電話番号050-3503-1403
WEB(Zoom)とメールによるご相談もお受けします。遠隔地の方はもとより、お近くの方でもお客様のお時間の節約のため是非ともご活用ください。
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