はじめに
いつも自衛官生活支援会のブログをお読み頂きがとうございます。生命保険ってどのくら入ればいいの?そもそも保険って必要なの?という疑問。多く聞きますよね。ついつい、知り合いが保険屋さんなのでついつい入ってしまったという話もよく聞きます。一般に保険に入り過ぎの方が多いようです。今回は相談事例を挙げて、防衛省の団体生命保険との違いやどのくらい生命保険に入れいば良いかを詳しく説明します。
そもそも保険って必要なの?
もともと、保険は万一のことがあった場合に、大きな保障が必要な場合に入ります。例を挙げると、自動車保険・・事故を起こして相手を死亡させた時には賠償金が必要になりますが、その金額は膨大なので、保険でカバーしますよね。これに疑問を感じる人はいません。なぜなら、賠償金が大きすぎて、個人では一緒掛けても払い切れないし、もし、払い続けるとしたら、人生を棒に振るからです。
一方、生命保険はどうでしょうか?自分に万が一のことがあると誰が困りますか?まず、独身の人は必要ありません。ご家族にお子さんがいらっしゃる場合は検討が必要です。教育費は結構な金額になり、生活費を圧迫しますので、入っておくと安心です。
ちなみに、住宅ローンを支払っている人は、一般には住宅ローン専用の保険に入っていますので、心配はいりませんが、ご夫婦で負担する場合は必要になる場合があります。
相談事例をご紹介
ご相談は、この時期ですので、オンライン(Zoom)で行いました。Zoomはとても簡単で使いやすく、お客様に大変ご好評です。相談は若いご夫婦でお二人とも自衛官です。ご主人が保険の見直し相談を依頼されてきました。ご家庭の家計の状況は以下の通りです。
【家計の状況】
(1)収入
①ご主人(29歳):520万円/年(400万円)
②奥様(29歳):450万円/年(350万円)
(2)支出:530万円/年
(3)収支:220万円/年(貯蓄)
(4)貯蓄:約120万円
(5)保険:なし
(6)借入金:ローン等なし(今後5,000~6,000万円の住宅購入を予定)
(7)お子様は、将来お二人を希望(中学から私立を想定)
保険は必要でしょうか
まずは、このご家庭に保険が必要か検討しました。今後、お子さんが誕生され、新居の購入時のローンもご主人一人では組むことが出来ないので、奥様が半分負担されることになりそうです。ご主人さまに万が一のことがあると、生活が苦しくなる可能性があります。そのようなリスクに備えるために、生命保険の検討が必要だと判断しました。
必要額を計算しましょう
まずは、前提を以下のように設定しました。計算の前提は大切です。今回の場合も、相談をしてお子さんが大学を卒業するまでを期間としてます。卒業したら保障を見直すということも前提になっています。
①期間:第2子が大学を卒業するまでの22年間の補償
②収入:奥様357万円/年(1%上昇/年):約9100万円
③生活費:468万円/年(0.8%上昇/年)8800×0.8=約7100万円
④住宅ローン:7470万円/35年(6000万円借入)
ご夫婦で半分づつ・・3800万円
⑤教育費:1355万円/人×2=2710万円
必要金額:約13700万円(③、④、⑤の合計)
保障は公的な保障を考慮して計算しましょう
万が一の時の保障は、遺族年金などを考慮して入りましょう。必要保障額として、生活費、子どもの教育費、住宅ローンなどです。そして万が一の際に入るお金は、公的な遺族年金、会社からなのでのお見舞金、遺族の収入、貯金などです。ここでは、公的な保障に限ってもらえるとして計算しました。イメージは以下のようになります。
ここでのポイントは、必要額は時間の経過とともに少なくなるということです。
ここで、公的な保障をまとめてみましょう。
一般に、死亡の保障の公的保障は奥様に対しては厚い補償となっています。
まずは、国民年金の制度では基礎年金から遺族年金がもらえますが、お子さんがいらっしゃる場合に限られます。
①遺族基礎年金:18歳未満の子どものいる配偶者又は子どもにもらえる
約78万円+子にかかる加算額(子にかかる加算額:2人目まで224,700円/年、3人目以降74,900円/年)
次に厚生年金制度からも遺族年金が出ます。夫は60歳以降しか支給されませんが妻は色々と優遇されます。
①遺族厚生年金:公務員、会社員の遺族にもらえる
平均標準報酬額×5.481/1000×300(みなし)×3/4(夫が受ける場合は、権利は55歳、支給は60歳から)
②中高齢寡婦加算:公務員、会社員の夫が死亡した際に妻が40歳以上で子どもがいない場合に65歳までもらえる
このご家庭の場合ですと、公的な保障はざっくりですが以下の通りです。
◎遺族基礎年金:122.8万円/年
◎遺族厚生年金:53.4万円/年
◎合計:約3500万円(約176万円/年:最大時)
必要額はどのくらい
以上をまとめて見ると次のようになります。
保険で補う必要額は約1500万円となります
生命保険はどのタイプにすればよいか?
死亡保障には、次の3つのタイプがあります。特徴をまとめましたので、確認をお願いします。
防衛省の団体保険と民間の生命保険との違いは
防衛省の団体保険は、年齢とは関係なく掛け金と保障額が決まります。一般の生命保険は年齢が低い方が安く、年齢が高い方が保険料は高くなります。また、1年毎に清算され、ほぼ毎年還付金があることが大きく違います。以下に防衛省共済組合の団体生命保険の表を示します。
また、保険のタイプは定期保険のタイプで収入保障型のタイプはありません。
保険料の比較とお勧め
それぞれの保険のタイプで1500万円の保障を考えた時に、それぞれのタイプで保険料を比較をすると、以下のようになります。
①定期保険
・一般の民間の保険会社で約1500万円の保障を準備
(保険料の例:2800円/月、保障内容:死亡1500万円、55歳満了、災害特約500万円)
・防衛省団体保険で約1500万円弱の保障を準備
(保険料:2000円/月、保障内容:死亡1460万円、災害死亡1460万円、還付金があり)
②収入保障保険
月々5.7万円の保障を準備(1500万円/22年/12月)
(保険料の例:1400円/月、保障内容:月6万円、55歳満了、災害特約500万円、支払保証2年)
③終身保険
約1500万円の保障を終身保険
(保険料の例:22500円/月、保障内容:死亡保障1500万円)
この中でのお勧めは、二番目の収入保障型の保険です。この保険ですと掛け金が安く必要な保障が確保できます。
終身保険は?
終身保険は貯蓄機能を持った保険ですが、現在は外貨建ての商品が多く、一見、高い利回りが約束されているようですが、為替のリスクがありお勧めできません。ただ、為替のリスクがない、例えば外貨で直接運用できる場合は、保険と高い利回りの貯蓄の機能を活かすことができるので、お勧めです。
まとめ
今回は相談事例を挙げて、どのくらい生命保険に入れいば良いかを詳しく説明してきました。定期保険に加入するのであれば、防衛省の団体保険がお勧めです。しかし、出来れば保障は最小限の保険料(収入保障保険)を活用して、あとは貯蓄や積立運用に回す方が効率的です。
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